子どもの成長と発達に向き合っていると、
「理解力が遅いと、行動力も遅い」
「理解がゆっくり=能力が低い」
「ゆっくり=バカなんじゃないか」
そんな昭和的な価値観が、無意識のうちに自分の中にも残っていたことに気づきました。
私は、わが子のWISC(知能検査)を何度も見てきたのに、
“理解力”と“行動のスピード”は別物だという事実を、よく理解しきれていなかったのです。
理解力と行動スピードはイコールではない
WISCでは、
- 言語理解
- 視覚認知
- ワーキングメモリー
- 処理速度
といった項目に分かれています。
項目を分けてあることは、それぞれが別の能力であり、
理解の早さ=処理速度の早さではないということです。
理解はゆっくりでも、処理速度は速い子、
逆に、理解は早いけれど行動のスピードはゆっくりな子もいます。
能力の高い・低いではなく、
「脳の使い方の違い」なんですね。
行動がゆっくりな子は「能力が低い」からではない
わが家の次男を見ていて、行動がゆっくりな理由の多くは、
理解不足ではなく“不安”だということに気づきました。
- 安心できる環境か
- 何を求められているか、本人にとって明確か
- 情緒が落ち着いているか
- 本人の中で見通しが立っているか
これらが整ったとき、次男はスッと動き始めます。逆に一つでも引っかかるものがあれば、大泣きしたりパニックになって行動は滞ります。
つまり、
- ゆっくり=能力の低さ
ではなく、
- ゆっくり=安心が必要
という仕組み。
これは、発達特性のある子どもにとても多い傾向のように感じています。
私の中にあった「昭和的な視点」
同時に、私は自分の中にこんな感覚を見つけました。
- 理解が遅いから、行動も遅い
- 遅い=バカ
- 早くしないと取り残される
この感覚は、私が育ってきた社会や時代の“当たり前”だったのだと思います。
でもそれは、
子どもの特性を正しく見るためには邪魔になる視点でもありました。
親が視点を変えると、子どもの世界はもっと安心で自由になっていきます。
「あ、私の中にも昭和的な価値観が残っていたんだな」
そう気づけたことで、少しホッとした自分もいました。
子どもの「ペース」はその子のOS(生きる仕組み)
今の私は、次男のペースを「ただの遅さ」ではなく、
その子独自のOS(生きる仕組み)として見ています。
- 不安が強いときはゆっくり
- 安心があるときは動き出せる
- じっくりタイプで、慎重に世界を見ている
このOSは「弱さ」ではなく「その子オリジナルの特性」。
見方を変えれば、強みになる部分もたくさんあります。
大事なのは「速度ではなく到達度」を見ること
子育てで本当に大切なのは、
- どれだけ早くできたか(スピード)
ではなく、
- その子なりに、どこまで理解し、たどり着けたか(到達度)
だと感じます。
早さはその子の個性。
到達度は、その子の成長。
そして、そのプロセスに合わせて伴走するのが、
親の役割のひとつなのかもしれません。
おわりに:視点が変わると、子どもの未来が変わる
私は今回、
- 理解が遅いと行動も遅い
- ゆっくり=バカ
そんな昭和的な視点が、自分の中にまだ残っていたことに気づきました。
同じように悩んでいる親御さんに伝えたいのは、
「ゆっくり」は欠点ではない、ということ。
その子のペースこそ、その子の人生のリズム。
親がそれを尊重できたとき、子どもは安心して世界に出ていける。
私自身もまだ道の途中ですが、
これからも子どものペースと、自分の中の価値観を見つめ直しながら、
一緒に歩いていきたいと思っています。


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